Kanako Shimazaki
趣通信を卒業しました。

1日、1ヶ月、1年…今までの33年間という時間ですらも
割と波乱万丈生きてきたつもりですが、この1年間は怒涛でした。
自分を大きく成長させてくれたのが『趣通信』というメディアのスタッフをしたことでした。
好きなことしかしないと決めて、2016年からはアルバイトをしながら着物のことだけをしていました。
2017年の2月くらいから趣通信の仕事が稼働していましたが
お恥ずかしながら去年末まで貯金を少しずつ食いつぶし ていました。
それでも、曲げちゃいけない事があると信じて前に進んでいました。
新卒で働いたリサイクルの着物屋をやめたときには、「もう着物のことはしない」と思って
次の会社では、成長できる環境があって、好きな人たちに囲まれて、なりたいと思っていたキャリアウーマンになれても
それでももっと日本文化の近くにいたくて、着物のことがしたいと思って
自分と同世代の人の着物を着てほしい、自分が着物で人生が変わったように
このときめきを誰かに伝えられるひとでいたいと思って、着物イベント団体「きものでかける」を立ち上げました。それが2014年10月。
嘘をつかずに前を進むことはとても楽しいことですが
着物の販売以外ほぼ仕事のないこの業界で、新しいことをし続けるのは心細さを感じることも多々ありました。
そんな中出逢った趣通信というコミュニティは、いただいた仕事の中で一番大切にしていたものでした。
中でも1年前から始めた、月曜12時半からの15分間のライブ配信は辛い時もありましたが楽しくて。
一番嬉しいのは、コメントをくださる方同士で「こうしたらいいのでは?」と会話があるときでした。
私が答えるのではなく、教えあえるコミュニティであること。だからライブでコミュニケーションがとれることは大切と思っていました。
私に聞いてもらえることも、とっても嬉しいんですけどね。
でも本来のわたしの役割は、「1つの質問に対していくつも答えがある、1つじゃないからその中から自分にハマりそうな答え見つけてくださいね!」っていう、誰しもが決めたがる着物に対する正解を分散させること。誰かが決めた正解の中にハマろうとすると、人間価値観が違うのだから居心地悪いんですよ。
そんなんで着物嫌いになったらもったいないじゃないですか。
もっと言えば、こういうことって着物以外でもたくさんあって、ちゃんと自分で考えたなら、自分の意見や考えに自信もっていいじゃん!って思っています。
でも、人間ですからそれでも悩みますよね。そのときに私は一番の理解者で、相談に乗ってあげられる人でありたいと思っています。
きものでかけるというイベント団体は、そういう相談相手を作るコミュニティでもあります。
相談できる相手がいると、安心できますもんね。
趣通信を卒業しても、ずっといたとしても、わたしのやりたいことは変わりません。
今後は趣通信という手段を使わないというだけの話なのです。
幸いなことに、今は趣通信という手段以外にいろいろな可能性がある環境を作ることができました。
「しーまんは何がしたいの?」と聞かれたときに、「日本を元気にしたい」という漠然な答えしか出ないわたしはとても未熟ですが
でも単純にそんなことを20歳のときに考えて早13年。これ以外ないですよね。
元気にするきっかけは文化であってほしいし、そう思ったときに私の得意分野は着物で、一番すきだった。それがわたしの根本的な平和についての考え方。
日々是好日。毎日はある角度からみたらとても退屈で、嫌なことばかり目につくかもしれません。
でも自分の見方次第で目の前のことがとても素敵に見えることばかり。
着物はわたしにとって、つまらなかった毎日を、とっても色とりどりに目線を変えさせてくれたもの。
この話をしだしたら止まらなくなるので、このへんで。
今日で卒業した趣通信。短い間でしたが、私の人生の中でとっても大切なものになると思います。
ありがとう。
ありがとう。